著者に会う

読書を趣味としてもう半世紀(は言い過ぎ・・・)、でもこれまで「著作を読む前に著者に会う」、という経験はしたことがありませんでした。 
#「後」もなかったけど
それがこの8月、たて続けに2件。 ただし、著者が話に来られたのはうちの会社での講演会だったので、それ相応に学者さんだったり監督さんだったりしたわけですが・・・

・『日本の幸福度』格差・労働・家族  大竹文雄先生
「日本は今いわゆる『幸福教』みたいなのがおお流行り(原文は確か違ったけど、そんなニュアンス)」某ダーリンがHぼ日対談でそんなことを言う前から、ずっと気になっていた「日本は年をとるにつれて不幸になる国」という統計結果(K間K代さんが著作のほとんどの導入部で引用、ただし最近ニュアンスがやや変動中)。その統計を発表した大学の先生が会社に講演に見えるということで、これ幸いと会場に潜り込んでみた。いったい、ヒトの幸福って、何人くらいのどんな人に何を訊いて、それをどうまとめるとそういう結果になるの??うさんくさくね?!  
仕事がからむ話でもあったので詳細は書けませんが、相当量のパネル調査データのほぼ全量の提供をうけたうえで、マクロ経済学的にがっちり分析、仮説をたてて徹底検証、仮説を修正、さらに検証、そしてまだまだ分析途上である、ということを確認して、内容の詳細は理解できなかったものの、とにかく安心することができました。 統計結果は表現次第で何をいかようにも言い放つことができることは以前から理解していましたが、やはり「年をとるにつれて不幸になる」も、やや「統計操作」がされている、と私は思いました。 間違っている、悪いと言いたいわけではありませんが、留意すべきこと、ではありますよね。
大竹先生が各種仮説の説明をされる時、「このように考えてみた」「しかし、***とも言える」「でもこうも言えるかもしれませんね」「そうか、こう考えればよいのか」と大変嬉しそうにお話をされるのが、弊社マクロ経済系研究員が持論の説明をする時と全く同じ顔(印象)だったのが、何だか心に残ってます。

・『リーダーシップからフォロワーシップへ』カリスマリーダー不要の組織作りとは 中竹竜二さん
ラグビーファンの方ならこの方の経歴は説明する必要もないくらい、でしょう。 この世界では大変異色な経歴を経て歴史あるW大ラグビー部の監督を務められた後、現在はコンサルタントなどをなさっています。 
ラグビーってなんのこっちゃ、な私、大変失礼ながらどんな方かも知らず、ただ議事録作成者としてヒアリングの場に臨んだのですが・・・とにかく、話されることが明快&シンプル豪快、理論がすっきり通っていてループがない。 その上、人間対人間の「実戦」経験がとてつもなく豊富であることが、説明されなくても聞いただけで、見るだけで、理解できる。 こんな経験は初めてでした。
さっそく会社帰りに丸善行って著書を購入し、後付けですが組織作り論をじっくりと読ませていただきました。 そうそうそうなんですよね!という箇所がいくつもあって、自分が常に意識していることも間違ってはいないこともある、ということを確認。

さてここからは、私の問題。
結局ただ、確認できてよかった、だけ?

食べ物も思考も、取り入れるだけ取り入れてそれで終わりでは、肥満と肥大を重ねるだけで、無駄に流れて行ってしまうだけ。集めるだけ集めてしまい込むのではなく、それをもとにこの後どう行動するか、どう繋いでゆくか、が大事。

次の一歩をどこにどう出せるか、毎日が勝負だ。