おわかれの日

JSCA検定用練習デー。 今年一番の寒さだった昨日の低温をひきずる海で練習するため、久留和へ自艇を車に積んで出動。 検定の練習なんかしなければ今日のコンディションなら往復漕げるんですが、10種目練習すると身も心もずたずたになる上、この週末はUMUS様が石垣遠征中でご不在。 積むしかないでしょう。
フルドライでKア艇庫前へ行ってみると「やる気満々じゃん」・・・・この気温水温風で濡れるのに、ウエットはあり得ませんが・・・・?
友人Kに艇おろしは手伝ってもらい海へ出ると、すでに微風が耳に痛いです。来週からはフルフェイス帽かな。 これ「見た目が怖い」ので、女性には全くお勧めしません・・・尾が島までウオーミングアップにゆく友人O&Kを見送り、私は黒岩でターン。 実は前日まで7度台の熱が下がらなかったこともあり、大事をとってのことでした。 この冬は「故障なく」「事故なく」「途切れず」「少しずつ距離を伸ばす」計画なので、検定用に練習するからといってこれ以上風邪をひどくするつもりはないし、傷めやすい背中と腰を使いすぎて壊す気もないのです。今できる限りを思い切りやって、悔いを残さない、それだけが今の目標。
ひとり久留和のプールでねちねちフォワードとリバースを繰り返していると、Nノック艇にのったひとりの男性がにこにこと近づいてこられました。 ごあいさつをすると、にこやかに「今日でこの艇とお別れなんですよ」 ファルトとこのNノック艇で日本全国を楽しく旅されてきたけれど、70歳という年齢での河旅・海旅を常々心配されるご家族のご意見を入れて、とうとう長年親しまれたこの艇を手放すことにされたとのことでした。 
「それは残念ですね」という言葉の次に自分でも意外な言葉が口をつきました。「でも、そのご家族の気持ち、私は本当によくわかりますよ。」 やればやるほど、シーカヤックでの海は楽しいだけではない、だけではないというより厳しい場面が本当に多いことを思い知ります。 こて先の練習やできるという思い込みだけでは全く乗り越えられない場面が不意にやってくる確率は、他のスポーツよりは相当高い方ではないかといつも思っています。 先々週私がした挑戦も、結果だけ見ればオーライでしたが、ほんとーーにあれでよかったのか?!と改めて今問われれば、はっきり言えば問題山積みでした。UMUS様に一喝されなかったのが不思議なくらいですよ。。
「心配されるご家族のおっしゃるとおり1艇手放せば、たぶんこれからファルトで出かけられる時は気持ちよく送りだしていただけますよ」とお話すると、にっこり笑って「そうですね」、でも、やっぱり寂しそう、でした。
もしかしたら今年前半に来ていたかもしれなかった愛艇・SHORELINEとのお別れの日は、状況が許してくれるおかげでなんとか回避することができたけれど、今の年齢でここまで非力・へなちょこな私、本当にいつまで漕げる?海に出続ける??自問自答は海に出るたびに実は続いています。 そんな時であったあるカヤッカーの方の「お別れの日」。いつか私にそんな日が来るときも、爽やかに笑って次のオーナーに手渡せる日となるよう、一回一回の海を大切にしようと改めて思ったのでした。