海はともだち

土曜に海に出るか、日曜にするか。 右手首の状態が一進一退でやっぱり不安な上、最近ずっとちょっと仕事が忙しいので、とにかく起きるまで決心がつかなかった・・・

で、朝8時。 カーテンをあけると素晴しい快晴&(横浜)無風! 天気予報で、気温は15度以上に上がるって言ってる・・・これはもう、行くしかないでしょう・・・たとえ「海を見る」ためだけでも・・・ いつもより相当のんびりのんびりと海岸に到着すると、そこには穏やか〜な海。 今日は5月?って気温、微風、雲量2(すっごく日焼けする日差しではない、ってこと)。 来てみれば進水式の方、2名。 もうこれは、、Finetrack下に着てるし、ウエアギア全部持ってるし・・・・ で、少しだけ海に出ることに。。 この手首には、2時間が限度。

浜全体を見渡す。 自分が今日どこまで行きたいか、どう行くか、ルートを考える。 風の強さ・方向を見定める。 潮が今どれぐらいかを岩の見え方で知る。 波の高さをずっと沖まで見つめる。 船舶の数、停泊数、停泊している向きで風向きを考える。 レジャーボート・セーリングボードはどこにどれくらいいるか、釣りをしている人がどこにいるか、カヤックは出ているか、出ている艇はどれくらいの速度で進んでいるか。 太陽の高さ、気温は上がってるか、これからももっと上がるのか。 今沖で風が吹いているのは見えるか。 江ノ島はどう見えているか、これからどう見え方が変わるとどう天候が変わる前兆か? 5分以上、じーーーーっと浜に立ち尽くす姿は、一緒に出艇して下さった方にはちょっと妙に見えたようです・・・ いやこれ、師匠から厳しく指導されてきたことの一環なので・・・・

これだけ神経質に出艇しても、出てみれば海は優しく、テーピングで固めた右手も痛まない。 フォワードストロークも両サイド快調! 潮が満ちていたおかげで、岩場をぬって隣の浜へゆくことができ、そこで私は・・・・なんてたくさんのカヤックにお会いしたことだろう! 恐らく、、U猿の皆様の会合、ネットでお見かけしたことのある方も何人かお見受けした。 うーん、正直なところ、、P社以外の艇をこんだけいっぺんに見るのは生まれて初めてだぞ・・・・・

そうこうするうちに、レース艇でするすると近寄ってくる方が。 本日進水式の大師匠様とお約束のあった、Kさんらしい。 バウは潜水艦のようなスタイル、はっきりした色合い、弾丸のようにまっすぐ進む!(私に艇の名前は聞かないでくださいね、、) 隊長とレース艇についての話がとっても弾んでいた。 浜に上がったかと思うと艇の取替えっこ。 「これはいい!!」嬉しそうな隊長。 ・・・・

遅れて到着される予定の大師匠様をお待ちするうち、なぜか私がサーフスキーに乗る、ことに?! Kさんも楽しそうに、乗り方やらバランスのとり方を指導くださる。 (目線は遠く、ブレードは海面をなでるように、始めは脚を海につけて感覚を覚え、楽な方から脚を固定して、体の力をぬいて自然にパドリング!) 2回はすぐにひっくりこけ、3回めでなんとか進み、4回目・・・乗ってるところで大師匠様がこちらに近づいてくるのが見えた・・・ほんとはスキーでお迎えする、、ってかっこいいと思ったんですが、悲しいかな、技量及ばず・・・・沈(転がり落ちる)・・・・・

大師匠様の新艇は、日本に2艇しかないという「世界最速」のレース艇。(・・・だから私に、名前は聞かないでくださいね・・・NEROって書いてありました) バウは日本刀のような形状で、その厚みの薄さ!! 超ど級に不安定なはずなのに、スプレースカートなしで乗られている・・・・おかげで私は、こっそり後ろから着いてゆき、フォワードストロークの秘訣を盗まん、などというふとどきを考えたのでした。 キャッチと同時に脚を踏み込む。 体の軸をずらさない。 脚だけでなくおしりまでしっかり動かす。 いつどんな時も、何に乗っていても、基本は同じ! 勉強になりました・・・・ 私もせめて「もりいずみ」で100メートルくらいまっすぐ漕げるように、今年中に、、なれますように・・・・・(←命知らず)

艇交換会も終了し午後3時すぎ、本日はそれほど波があがることもなく、手首に違和感を感じることのないまま、無事、楽しく海から上がることができた。 いやー。楽しかった!

思えば相当長いこと、「海はともだち」って考え方を忘れていた気がする。 一昨年晩秋、ツアーで取り残され吹き流されカヤックに自分はとことん向いていないのではと悩み、ロールが上がらなくて背中を痛め1月以上海にも出られず、ウエアギアで悩み、リゾートカヤッキングに流れてみたり、誰かに何かを聞いたり教わりに行ったり。 これ全部無駄、じゃあなかったけれど、よくこんなに長い間「自分は海に楽しみに来てるんだ」ってことを忘れていたなあと、今は思うのだ。

やりたいことをできる範囲で。 自分のできることを楽しんで。 いつも少しだけ上を目指して。 自分の「今」を楽しんで受け入れていれば、あとは自然と海が自分を受け入れてくれる。 いつのまにか私も、海とのつきあい方がわかってくる。 

シーカヤックは、海と友達になるきっかけ。 今何かのカベに悩んでいる人がもしいるならば、ぜひこのことをゆっくり思い出し、感じ取ってほしい。 あなたは何故、シーカヤック・アウトフィッターの扉をたたいたのですか?

シーズンはもう、始まっています!

<追記>
本日進水式の写真はTOMMYさんのHPでご覧いただけます。 艇の名前も書いてあります。