かけがえのないもの

私は一人っ子だ。 配偶者はない。

歳をとった両親はそれぞれに故障を抱えているのだけれど、少しずつ少しずつ、当たり前だけれど弱ってゆくのを見るのは、宿命とは言え、つらいものだ。

この秋とうとう、二人の入院が重なり、さきの連休小豆島ツアーへの参加が危ぶまれたが、幸い二人ともに小康状態を得ることができ、旅行にゆくことができた。

できるときにできることを。 思ったことは思ったとおりに。 気持ちは溜めない。 

私のこの考え方が今年どんどん加速しているのは、かけがえのない肉親との時間が限られていることをはっきり実感したことから来ているのでは、と思っている。

あとどれくらい、時間が残されているのだろうか。 私には何ができるのだろうか。

深まる秋の気配の中で、そんなことを考え続けている。