ゆるやかな一日

昨日は実は、GW前に飛び石休暇をとっていた。 上役からは「連休にすればいいのに」って言われたけれど、ふつーの日、ひとりで海でゆっくりしたかったから。

お昼過ぎ、車を出した。 どちらを向いても、何気ない街角でも、萌えはじめた緑がとってもきれい。 朝比奈峠のある鎌倉の山並みも、若葉の勢いでちょっと盛り上がって高くなったように見える、ほど。

ひさしぶりに材木座海岸を見たくて鎌倉駅側から134号に出ると、何故か大渋滞・・・ここ、スピード乗せて走るの、すごく気持ちいいのにな、、って思ったら、どうやら各地で電線工事をやってるらしく、三箇所で一通が・・・もう〜〜!

三箇所目を越えれば、あとは平日の134号、するすると車は流れ、いつのまにか久留和の海岸へ。 一時工事が続いていて、車が停められず苦しんだものだけれど、さすが平日、だーれもいません。 えーい、斜めに停めてやるーー。。(・・・バカ)

海はちょっとラフ、オンショアの風5〜6、うねりを風がさらに押している感じ。これ、カヤックで出たら、振り回される日だろうな・・・

葉山ゆきには、実は目的があった。「海空日和・・・広田行正・千悦子展」を見ること。

このお二人は、私をカヤックへといざなった「湘南ちゃぶ台ライフ」の著者ご夫妻で、横須賀市秋谷にお住まい。 4月24日から、葉山芸術祭にあわせ、自宅を開放して写真と絵・雑貨の展示をされている、という。 私をコアへと連れてきてくれたこの本の著者とその生活空間にとても興味があったので、ちょうどお休みもとれたことだし、と、てくてく久留和駐車場から会場のご自宅まで歩いてみる。

徒歩20分くらい。いやー、結構、ありました・・・・風は強いものの、日差しも気温も初夏そのもの。 気持ちいいんだけど、10分も歩くと汗かいた〜〜!

秋谷バス停から、山へ向かう細道をずんずん上がってゆく。 134号を走っているだけだと、山に向かう道がこんなに奥のほうまで伸びていることには気づかない。 谷に沿って人家もたくさん立ち並んでいる・・・山の深さは、先日訪れた香川も似たようなものだけれど、三浦の山はこぢんまりと小さい。 そして、そこここにつらなる人家の数、密集のしかたは断然こちらのほうが多い・・・人が多いんだなあ、やっぱり三浦は・・・・

急なコンクリの道を、子安へのハイキングルート入り口に向かって進むと、さらに竹やぶを切り開いたような細道の先に、広田さんのお宅があった。 まさに盛りの様々な春の草花に囲まれ、なんだか絵本の中に入ってしまったような世界。 山の斜面にほんの少しある平地にお宅は建っているため、庭は決して広くないものの、いろんなところから山を通して海を見られるよう、古びたベンチがたくさん置かれている。 庭にいらっしゃった男性が広田さん、だったのかな? 入り口受付で、ご友人たちとお話されていたのが、多分奥様の千悦子さん。 強さを内に秘めた、しなやかな美しい人。

開放されたご自宅の二部屋で、たくさんの写真と、絵葉書、雑貨たちを見た。 湘南ちゃぶ台ライフの中で見たことのあるものたちが、たくさん。 こんなところから生まれてきたんだな。。

簡単に千悦子さんへご挨拶して、絵はがきを買って、おいとました。 なんだか去りがたいような、でも、あまり長居をするのは申し訳ないような、不思議な気持ち・・・・とにかく、一年前に三浦でカヤックを始めるにあたり、この「湘南ちゃぶ台ライフ」だけを読み、何一つほかを調べることなくコアに来てしまったことから、今の私があるわけで、、、その御礼がちゃんとできた安心感もあった。

振り向きつつ振り向きつつ、広田家を後にした・・・普通の道路に出るとあの小さな家があったことが、物語の中であったかのような、そんな気持ちにもなっていた・・・・・そう、割と浸って歩いていたのだ、私は。 と、そこで! (つづく!)

・・・すぐ、つづく・・・・・

134号から上ってくる男性の人影が。 人に会うの、1時間ぶりだなあ・・・・ってじっと見たら・・・・・Iちゃんだった! そう、コアのカヤック友達にしてキャンプ友達、昨年冬に、寒〜い久留和の海で完璧なロールを習得した、実は努力の人、そして「乙女組」メンバー♪ ええ、なんでこんなとこにいるの!? それはお互い様だったらしく、IちゃんはIちゃんで、とてもびっくりしていた・・・・

Iちゃんは、山経由でコアに行く道を昔通ったことがあり、そのルートを確認すべく、秋谷の山へと分け入る途上だったらしい。 三浦の楽しみ方は、何も海だけじゃないもんね。。

広田家ですっかり満足してしまった私は、はいていたスニーカーが真っ白だったこともあって、山に一緒に行くことは断念したけど、Iちゃんは初志貫徹で山越えをする、というので、後でコアで会おうね、と一旦お別れした。

再び134号へ出ると、ちょうどFマート。 そういえばお昼も食べてなかったし、暑いし、とお店に入って、食べ物飲み物、そしてアイス!! いっぱい買って、立石の海の見えるベンチへ。 小1時間、アイス食べつつ、パンをかじったり、ただぼーっとしながら、オンショア風がばんばん入る砂浜をぼんやり見つめていた。 波をただ、数える。 遠くからやってきて、盛り上がって、いつの間にか消えてゆく波、同じ高さでずーーーっときて、そのままゆるやかに崩れる波、、波の数は、数えていてもいつの間にかわからなくなってしまうものだ・・・・

Iちゃん情報では、瀬戸内組Pっしーもコアに来る、とのこと。 昨年年末のツアーで会って以来顔を見てないし、なんといっても「新婚さん」なのだ、彼は。 これは会わねば! グレゴリーのかばんをコアに注文する用事もあったので、電話してショップへと車をまわす。

そこには、以前よりちょっと色白になったpっしーが。表情が柔らかなのは以前からだけど、うーん、眼がずっと笑ってるぞ。 そして落ち着いている・・・いいにゃ、、、プロポーズの話、聞きたかったのにまた、なにげなーくかわされちゃいました。。Y口オーナーだって、聞きたがってたのに・・・!

とりとめのない話をいろいろして、Y口オーナーご夫妻が帰宅される前に、ショップからおいとました。 「平日に来ても、ショップには誰かしらいる」って、本当でした。面白いなあ。。

自宅を出る前は、前夜ほぼ徹夜で考え事をしていたため「事故るか?!」と不安がよぎる程度に調子が悪かったんだけれど、海に来て、広田家を訪ね、友人と偶然出会い、ショップでとりとめもない話をして・・・・帰りの車では、すっかりいつもの自分に戻っていた。

ありがたいなあ、友達と海。 

海に出始めたことでもらったいろんな繋がり、これからももっと大事にしてゆかなきゃ、そんなことを思いながら、帰宅の途へついた。