ATパドル初体験

シーカヤックに乗っていての最近の悩みは、いつも「どうして私は進まないの?」に収束していた。 とにかく、フォームは徹底的に見てもらって、多少癖はあるにせよその程度でよし、とまで言われる(気がする)のにもかかわらず、小ツアーで海上に出ると必ずツアーメンバーから遅れる。 指導者の方針で、いまだにラダーもスケグもない艇(Shore Line)に乗っているせいもあるだろうが、風が吹こうものならもう、どこまでもどこまでも風上に流されてゆき、スターンラダーとスイープで最後はへとへとになる、、というのが通常パターンだ。

3日のツアーでとうとう「・・・私、カヤックに向いてない・・・?」=「やめたほうがいいかな」という疑問を持つに至った私を見かねたマッキ〜の提案で、ナローブレードでシャフトに人間工学的なねじれのある、カーボンのパドルを使わせてもらうことになった。(ATパドル:値段が7万円以上する、軽くて超高価なブツ。ちなみに、インストラクターかばちゃんはこれを使用中)

使ってみてびっくり!
海況が「ほぼ鏡のよう」な久留和だったこともあったが、とにかく「水をつかんでいる」のがはっきりわかり、進む(それもスピードの調整までできる)し、進行方向の調整もできるし、ドローもスカーリングも「多少艇が動く」くらいまで可能、でも、一番大きかったのはマッキ〜にそれでよし、と言われる程度まで、リーンがかけられただった。つまり、このパドルを使っていれば、ローブレイスできちんと水を押さえられる、という自信が持てた、ということ。 調子に乗ってランニングターンまで始める始末・・・そして、これができると、艇の上で自然と身体の力が抜けてくるため、多少の波は艇(に乗っている体の動き)でいなすことができることに・・!  もう、突然、妙に上手になってしまった気持ちがした。

道具にはそれぞれに「特性と役割」があって、それが「使う側のニーズ」と一致した時、その効果を発揮するものなのだろう。「非力な私には、いつもの練習用パドルのブレードが大きすぎで、フォームがよくても力を(無駄に)使いすぎていた」ということなんだそうだ。
艇が替わったわけでもないのに、パドルだけでここまで感触が変わってしまったことに、本当に驚いた。

冬物のウエアを新調するにあたり、PFDも自前を購入したのだが(Palm)、パドルについてもとても迷い始めた。
あのパドルだったらロールも上がるかも・・・・・・。私が研修生だったら、一発買いだ・・・・・。
「楽しい悩み」なので、ちょっと心の中で転がしていようと思う。