夕暮れの海へ

シットオンタイプのダブル艇は、まさに名前の通り「シットオン」しているだけ、という艇だ。 いつもなら艇内に脚がしっかり入り、スプレースカートできちんととまっているので、脚が丸見えでただ座っているだけという状態に違和感いっぱいだ。 揺れなくても落ちそうな気までしてきた。
多少の不安と共に、日中の暑さがまだ「暖かさ」として残る浜から海へ漕ぎ出した。 日が残っていて、水面下は見えないものの景色や海面はよく見える。 馴れた久留和の海だからこそ、夜漕ぎだそうという気になるのだろうなあ。 日中ですら、岩がどこにあるかわからないところでは不安に思っている臆病者の私・・・

二人で艇を漕ぐのは二回目になる。 前回ツアーでは、キャリアの長い方が後ろに乗り、ラダーコントロールまでばっちりやってくださった上、パドリングのタイミングをばっちりあわせて下さった。おかげで大変スムーズに艇が進んだ。(かばちゃんに誉められました)
今回は秋山さんとご一緒した。 秋山さんはウインドサーフィン歴が長いとのことで、シングル艇の漕ぎについては既に初心者レベルではない。 でも、ダブル艇の後ろ、っていうのは、大変な役割を押し付けてしまったのだなあ・・・・と、「今は」ちょっと反省してます。
二人とも、パドリング(艇のコントロール)が安定しない(ちゃんとできていない?)ので、進むのだけれど方向が風上へすぐずれてしまう。
ダブル艇の方向転換はシングル艇より難しい。(私比較) 当初は同じ側を二人でスイープしようとしたが、あまりうまくいかないので、少しするうち秋山さんがリバースで方向を調整してくださるようになってしまった。ラダーがあれば、こういう時楽なのに・・・・・と、前回のツアーを思う・・・・・・・

岸沿いに長者が崎を目指すうち、進行方向こそずれてしまうことが多いものの、私たちの艇は「スピードが出るタイプ(ガイド談)」なので、とにかくどんどん進んでゆく。 空には雲が多く、沈む夕日を見ることはできなかったが、暮れてゆく空と海への映りこみを楽しみながら、馴れた長者が崎のすき間を抜け、一式海岸へ着く頃には本当に日が暮れた。