柘榴坂

「ガーベラ 汚れたホシの隅 まだ何かを待っていた アンテナ拡げて あてもない空 扉ふたつ開いて」(ガーベラ Spitz「三日月ロック」)
坂の上のホテルで会社の40周年記念式典があったので、行ってみたはいいけれど、2000名を超える参加者が宴会場からあふれ出していたのに気おされて、少しの時間でおいとまし、同僚と別れて柘榴坂をひとり下ると、目の前の空にひときわ輝く満月、まわりには大きな傘がかかってた。 寒くない不思議な夜で、決してうらさびしい場所でもないのにまわりには誰もいなくて、こっそりSpitz「ガーベラ」を小さな声で歌いながら品川駅までゆっくり月に向かって歩いてゆきました。

勤め先が一部上場して、名実ともに一流の会社になった、というのは意識はしていましたが、式典を目の当たりにして思ったこと、今の私の収入を思うとこの意識はただのわがまま、不遜すぎ、贅沢、思いあがり、実にもういろんな表現があてはまることを承知で続けるなら、ああ、なんだか、さびしいなあ、と思ってしまった、のでした。 そして、ああ、これだけおおきくなってしまったのだもの、それは、ガマンしなくてはならないことが多いのも仕方がないのだ、とも思いました・・・・・

一昨日からのへこみやらなんやかんやでちょっと涙していると、突然の雨音、外を見ると篠突く雨、さっきまであんなにきれいな月が見えていたのに。  !、そうか、月が傘をかぶると雨になる! お天気の神様、忘れてましたごめんなさい。。 いつもなら深夜の雨は気がふさぐのだけれど、今この時の雨は、私が呼んだ雨かもと思うと邪険にもできません。

春の芽吹きを誘う、優しい、やさしい雨、でありますように。 明日も暖かい一日でありますように。 うみうしのカキカキツアーが天候に恵まれ楽しいものとなりますように!