その日がやってきた

松崎レースが終わり、片付けにいそしむ皆猿様方&久しぶりにお会いした伊豆のアニキ・海亀さん、ごあいさつもままならなかった大首領様を残して、一人先発した私。 実は、積年の夢を叶えにある場所へと向ったのでした。 その場所は、なんのことはない、金曜夜にも止まった外浦。 とある女性に、カートップしたショアラインを見せるために。
その方はE子さん、Kai'toの奥様であり、素晴しい写真家、そして最近は動画もたくさん公開されています。 いつも優しく南伊豆に集うシーカヤッカーたち、いや、、最近はサーフカヤッカーを見守り続けていらっしゃる、みんなのお母さんみたいな方。 
初めて外浦に伺った時、自艇を持つかどうか悩んでいる、という私に、E子さんははっきりおっしゃったのでした。「正直、女性にはお勧めしないわね。 女性は男性に比べて通えなくなってしまう理由がとにかく多いから、もう少しいろんなところで遊んで乗り続けてみて、どーうしても欲しい、ってなるまでよーーく考えたほうがいいわよ。うちにはいつでも遊びにいらっしゃい。お茶だけでも必ず来てね。」 シーカヤックスクールを長く続けられている経験にもとづくアドバイス、その時は、ええ、そんなことないよー、、って思って聞いていたけれど、それから2年以上経ってみてわかる、E子さんの言葉の重み、真実。 だって、私と同時期スクール始めて、同じ勢いで海の部&夜の部を遊んだ女性で今まだ海に出ている子がいったい何人いる? よんどころない事情により、連絡することもなくなってしまった女性も何名か。 自艇を持ったところで海に出られなくなってしまった女性も数名いる・・・なんか思い返すと悲しいなあ。
ショアラインが来た時、だから私は密かに心に誓ったのでした。 もし私がこのショアをカートップして運転できるようになったら、まず伊豆・外浦に行ってE子さんに見てもらうんだ。
昨年10月、Kem's&海猿石廊崎ツアーの帰路も、どうしようか迷ったんだけれど、この時はまだ「往路」KM師に甘えてショアを持ってきてもらったため、断念。 往復・カートップまで自分でできないと・・・・(←今思えば、すっごく妙なこだわり。。)
そして今回、カートップのうち「ひとりで乗せる」部分のみ人の力をお借りしましたが(本当にありがとうございました、一色で大師匠様&岩地でクロさん&かめさん)あとは全部ひとりでできた! 時間もまだある!オッケー、外浦!!
下田付近でふと、あ、今日は日曜だから、E子さんは外浦じゃなくって例の白浜の向こうに撮影に行かれてるかなー、、ってあせったけど、とりあえず坂道を降りて海岸に向かいクラブハウスへ向うと・・・懐かしいデッキに懐かしい姿、E子さんでした。 始め一体誰かしら、というお顔が、私とわかって満面の笑顔、いつもの優しい声。 初めてカートップで松崎までの全行程を移動してきた話をすると、驚き、そしてとても喜んで下さいました。
今だから言うと、実は自艇自車積みが本当に自分にできるとは、思ってなかったところがありました。 同じ重さの艇を、男性なら私の頭のはるか上にあるラックやハイルーフ車の屋根に軽々ぽんっと載せることができるのに、チビ&非力の私にどこまで何ができるんだろう。 両手上げても届かないし、背伸びしたって届かない・・・
思い切りと創意工夫に、うみうし様のスパルタ教育、自艇自車積みの方たちがどうやっているのかよくよく観察することで、まだまだ特に安全性に関する自信がありませんが、カートップができるようになりました。 前後のロープワークがまさか自分ひとりでできる日がくるとは、、人生いつ何ができるようになるか死ぬまでわかりません・・・・
ある程度自分に自信ができるまで封印していた「海猿入門願い」も(構想なんと一年以上・・・)今回大首領様@師にいつの間にかご承認いただき、波勝では山盛りのお猿さんにも逢えました。
願うところからすべてが始まる。 ほんとそうですね。 小さな思いも大切に。 できることから少しずつ。 そんなことを思いながら、明るい伊豆の道を外浦をあとにしたのでした、E子さんに見送られながら。。