Repeat after me

手首の調子が少しずつ、少しずつ上がってきた。 文字を滑らかに書けるように。 助かるのはキーボードをよどみなく打てるように復活してきたこと。 マウスの(右手)左クリック(人差し指)も、気負わなければ残る痛みも仕事には支障がない。 どうかこのままで収束しますように・・・ 右肩のケガによる故障はじっくり治すしかないので、右手親指の腱と中指の腱が、このまま落ち着いてきますように・・・

という状態だったので、本日海に出るのは残念ながら断念。 万が一調子を崩すと今期の勝負がかかった明日の仕事にも差し支えるし・・・ 誰もいないかなあ、、と思いつつも、一応一色へ向かった。 すると・・・・

あらま。 いつもどおりに、皆様いらっしゃる・・・・  研修中の局長と隊長はご不在だったけれど、旧来のメンバーが楽しげに海から上がってくる、海に出てゆく。 ニャンですか、ええ、伸び伸び。 通路ど真ん中にぐーんと長く寝そべってお昼寝中。 いいねえ、幸せそうで・・・

今日は見学に徹した。 かなり潮が引いた午後の一色の浜には風が上がってきて、まあまあ乗れなくもない波。 大師匠とSさんのサーフを、波打ち際から見つめる。 ついでに、浜の端まで歩いていって、潮が引いた一色の海の底を観察できるだけ観察した。 砂地はどこか。 隠れてる岩はどこか。 波はどう廻ってくるか。 思い切りよく引いていたので、よくわかってよかったです。。 一時間半、ずーーっと浜に。

初めて英語を習った時に、とにかく先生の後をついて、テープの後について、同じことを繰り返した。 「Repeat after me」 理由なんて後回し、ただ「こう言いたい時に、こういう言葉を話す」っていうのを身体で覚えた。 私にとって、今サーフはこの状態にある。 言われたとおりに、言われたことをやる。

初めてスクールで波に乗ってみましょう、って言われた時、ただ怖かった。 何がどうなっているかもわからなかったし、勝手に艇が運ばれていくのは怖かったし、スターンが持ち上げられた上その上に波が崩れてくるのもほんとにいやだった。 艇が走り出してバウが曲がっちゃった後、パドルで波をぐっと押さえて艇を傾ける、っていうのも、ただ怖くて・・・体験したことのないスピードも、私には戸惑いでしかなかった。

だから、「一色はダンパーで、波打ち際でこけると逆さになったまま艇から出られず、波で上からたたかれる」 知人にこう言われた後、どれだけ怖く嫌な思いをしたことか。

だからこそ。 今日はずっと見ていた。 この浜が人を寄せ付けないほどにシビアな状況でも必ず波に乗っているお二人を。 そりゃあ、Sさんおっしゃったように「波は乗るもの」ですが、手首がダメな以上次善の手は「見ること」!

テイクオフのタイミング。 波のどこでどのようにバランスをとっているのか。 パドリングのしかた・速さ。 体の傾け方。 波のどこまで乗ってどこでどうターンして、どう波を越えて艇を回して、次の波をどうスルーするか。

はっきり言って、よくわかりませんでした。 ごめんなさい・・・でも、波の上で見るより、波乗りを最初から最後までじっくり見られるこの陸上見学、わからないながらも、ああ、こういうのが波乗りなんだなあ、、いいなあ、あんなふうにできたら、ってずっと思い続けることができた。 ありがとうございます、大師匠&Sさん!

三浦・葉山で波に乗り始めることができた私の幸運は、この「いつでも波に乗る人を見られる」ことだと心から思う。 わからなくても、自分では全然できなくても、ただひたすら上手な方の波乗りを見ているうちに、もしかしたら、いつか艇がコントロールできるようになれば、私も少しはあんなふうに波に乗れるかな、って思うことができる!

波に乗ることは目的ではない。 でも、波と楽しく遊べるようになったら、海に出ることはきっと、もっともっと楽しくなる

次の週末は、満開の桜の下を海に向かう、のだ!