迷う、何回でも。

先日退職します、って言ってきた派遣社員さん、一転して「続けさせてください」とのこと。 このことを伝えた時の、上司のほっとした顔! 私も同じ気持ちだったから、まあこれで、何故か回避できた困難がひとつ。 ありがとう、海の神様?・・・・

ひとは、迷うのだ。 もう、いつでもいつでまも。 何度も、何回でも。 真面目に今日を・明日を、考え始めれば、当たり前のように迷う。 私だってもう、彼女と同じ時期、どれだけいろいろ考え悩み、アメリカまで何度も行って、大学下見もして授業を覗き、寮長先生にまで会って、・・・・結局行かなかった。 その当時相談にのってもらっていたご夫妻(その大学の院生)は、きっと「理解できない」私の最終選択に、釈然としなかったり、怒りを感じたりされていたはずだ。 でも、彼女たちは私を責めなかった。 追わなかった。 理由すら、聞かれなかった。 それが、そういう選択を結果的にしてしまった私を、静かに許してくれた、そう感じられた・・・・・そんな気が、した。

退職撤回の連絡をしてきた派遣会社社長は、すっかり恐縮して、私の「よかった、ありがとう!」という反応がなかなか解せない雰囲気だったけれど、・・・・だって、人は迷うし、迷う中で誰かに相談したいし、相談する中で「ああ、それ、やっぱり違ってた」って思った時、受け入れてほしいよ? ・・・甘い?

「迷う」。 内容にも、よる。 その人の「立場」にも、よる。 どうしたって撤回できないことだって、この世にはたくさんある。 でも、私がもうずっと以前にあの院生夫妻に受け止めてもらったように、次は私が彼女の迷いと選択を受け止めてあげる番、 そんなふうに、思ったのだ。

ありがとう、児島さん。 あの時、逃げるように留学から手を引いてしまった私を、黙って許してくれて。 あなたたちに直接この言葉を伝えることはもうできないけれど、あの時のご恩を、私は今少しずつこうして、ほかの人に手渡しています。