冬の陽

冬の陽が一番美しいのはいつだろう。 昼下がりの陽だまり、夕陽。 そう、でも、私が一番好きなのは、斜めの光が差し込む時間。 日の出直後と夕陽直前の、まっすぐな太陽光線がくっきり差し込むさま。

冬になり、日の出が遅く、日の入りが早くなってくると、カヤック行のために家をでる頃にこの光をよく見る。 谷戸の続く鎌倉逗子では、山陰に沈む谷の道路から、くっきりとした朝日に照らされた冬の山頂付近を、柔らかな夕陽として広がる前の暮れる直前の輝く太陽の光に照らされる山肌を、見ることが多い。 道路わきには、前の晩雪でも降ったのか、と思わせるほどの真っ白な霜。 

こんな山道、朝比奈峠を抜けて、ひとしきり逗子葉山の市街を抜け、御用邸すぎて右手、長者に広がる海に差し込む冬の日差しもまた、なんともいえない美しさだ。 快晴の日なら、空の色を写して深い藍色のグラデーションを描く海。 遠くに、真っ白な雪を被った富士山。

これからまた、どんな美しい冬の陽・冬の海が私を待っているんだろうか?