それは手の届くところにある

今月もう何度思ったことだろうか。　遠くに行く必要なんてない。

濃い藍色に近い海、真っ白な浜。　穏やかな日差しが古びた木のデッキに暖かく降り注ぐ。　夏のキャンプで薄紫色の花をたくさん見せてくれたハマゴウは枯れて丸い茶色の葉っぱを少し残すだけ。　丈の短い草は枯れ草色になびく。　どこまでも続くアロエにはカニの甲羅みたいなオレンジ色の花。　見渡すと藍色のグラデーションの中に、小さなサーフカヤック。

「自分の足」で来られるこんな場所を、いくつも記憶しておこう。