何故あなたはそこへ来たのか

「何故あなたたちは、自分の住む地域を見ず、ただ長良川に集い、河口堰に反対を唱えるのか。」

私が生まれて初めてファルトで川に出たのは、相模川だった。 長良川河口堰反対運動(「SAVE THE RIVER 長良川」という言葉を覚えておいでの方はいらっしゃるだろうか?)の一環として、相模川で行われた関連イベントで。 ただし、そん時は触って座って、ちょっとぐるっと乗っただけ。
当時はまだファルトの雄・野田氏も現役ばりばり、椎名誠氏率いるあやしい探検隊もまだ、日本の島をてきとーにうろうろしており、お二人をつなぐカヌー犬ガクももちろん存命、元気。 沢野ひとし氏ほか椎名氏関係者・本の雑誌社の面々もこの場に集い、野田氏著作(「日本の川を旅する」だったか)からこの世界に憧れた私にとっては、ちょっと夢のような世界だった。 ミーハー? ルーキーなんてそんなもんです。

ご参考までに、現在の長良川河口堰反対運動は、こちらへ。http://nagara.ktroad.ne.jp/index.html

まだ河口堰建設が終わる前の長良川下流部でのデモに参加もした。 「デモ」(汗)・・・・わざわざ発音すると、なんか恥ずかしい気持ちになるのは何故だろう(汗)・・・・・ただ、ファルトで川を下っただけなんですけどね。
反対運動側からの意見を聞くことに終始した中で、どうしても私の中で崩すことができなかった「賛成派一市民の声」が、本日ブログ始めにあげたこの言葉。

「何故あなたたちは、自分の住む地域を見ず、ただ長良川に集い、河口堰に反対を唱えるのか。」

関係者の一員だった人とのおつきあいが終わったことから、一旦「川」「ファルト」「カヤック」「アウトドア」すべてから手を引いて、昨年海に出るまでは艇(ふね)関係からはずーーーっと距離を置いて過ごしてきたのだけれど、その間もずっと、いろんな環境問題を学習し・向き合っている時も、この言葉に自信を持って返答することが、私にはできなかった。 
実は、昨年海に出てからもずっと。

自分の生まれた町・育った都市・勤めた場所から遠く離れたところに、成人した後辿り着き、いつのまにか居を構え、その土地の一員となってゆく。 そんな人たちに投げかけられる「何故ここに来たのか?」も、この言葉に近い、のだろうか? いや、違う、かな。 似ているような気もするのだけれど・・・

最近なんとなく、こうではないか?という、漠然とした回答が心に浮かぶようになった。 

「そこに縁があったから。」

人が「どこ」で「何と」&「誰と」出会い、「何に惹かれ」&「何に呼ばれ」「何をしたいと思い」&「何ができるようになるか」は、本当にひと様々だ。10人いれば10通り、100人100通り、一億人一億通り。 どうしてそうなるか、理由なんて考えたって「わからない」ばかり。 そこにあるのは多分「縁」という後付けの言葉で呼ばれる「偶然」・「場とそこに集うの人の力」。

きちんとした答えになっているとは、自分でも思わない。 ただやっと、この「答え」へ、辿り着いたところ、だ。